2001年宇宙の旅

著者:HaLu

2001

■AI映画といえばコレ!

人工知能=AI(artificial intelligence)。人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、あるいはそのための一連の基礎技術を指します。ロボット映画紹介のシリーズの中でも何度も登場しているAIですが、こちらの映画は、その代表的作品!といっても過言ではありません。傑作ですよね。

お話をさらっとおさらいすると・・・。人類誕生前夜、類人猿にすぎなかった生物たちの目の前に謎の黒い板=モノリスが出現します。モノリスを目の前にした類人猿の中から、骨を武器や道具として使用するものが現れ、やがて二足歩行をするようになり、人類へと進化する一歩を踏み出していくことになります。それから、長い月日が経ち、人類がついに月に行く時代へとなっています。しかし、月面のとある場所で、謎の黒い板が発見され、それが何か、人類を導きよせるような電波を発しているということが明らかになります。一体何が起きているのか。状況を調べるために木星探査船「ディスカバリー号」を向かわせることになります。宇宙飛行士デビッドとフランク、人工冬眠状態の3人の科学者、そしてこの探査船の管制担当のパーフェクトAI「HAL9000」を乗せた「ディスカバリー号」の運命は―――。

 

■パーフェクト人工知能「HAL9000」

木星へ向かう途中、HALは宇宙飛行士のデビッドとフランクの2人に船の故障の修理を依頼します。しかし、故障は見当たりません。HALの発言や行動に不安を感じた2人は、HALの施行部分を停止させ、管制システムだけを作動し、それを利用して、ミッションの続行をしようとします。しかし、パーフェクト人工知能のHALはそんな2人の行動に気づいて、逆にこの2人を排除しようと考え始めるのです。淡々とミッションをこなし、会話をするHALの能力に感心しつつも、ある種の怖さを感じます。HALは船外活動中のフランクを宇宙に放り出します。デビッドは小型のポッドに乗り込んでフランク救出作戦に出ますが、救出どころか自分もディスカバリーに戻れなくなってしまうのです。冬眠状態の科学者の3人も生命維持装置を切られてしまうという状況の中、命がけでデビッドがディスカバリーに戻ってきます。デビッドはHALの思考を停止させるために、制御モジュールを1枚ずつ引き抜くことにします。すると、モニターから映像が流れだし、ある人物が話を始めます。そこで語られるのが今回のミッションの本当の目的だったのです。本来の目的・・・それは映画を観て確かめてみてくださいね。

 

■グサっと来るセリフ→「コンピューターのエラーの原因は扱う人間のミスです」

HALのセリフは一言一言警告のように聞こえてきます。この映画は何度も観ているのですが、何度見てもこの感覚は残ったままです。

パーフェクト人工知能のHALが故障していると判断されてしまったのは、ディスカバリー号が故障していると指摘したにも関わらず、実はどこも壊れていなかった、HALは故障も判断できないだから故障しているとされてしまい、思考部分を停止させられそうになり、ココから物語が動きはじめます。HALには2つの任務がありました。表向きは木星探査、しかし、本当の目的は木星圏内に生存している知的生命体の捜索でした。HALだけが知っている任務です。ディスカバリーに乗り込んでいるデイビッドとフランクには秘密にしておかなければいけない本当の任務、これを隠すためにHALはウソをつく必要があったのです。完璧であるはずの人工知能がウソをつくということ、パーフェクトだったらウソをつく必要はないはずなのにウソをついて任務を遂行していかなければならない、複雑ですが、ここにある矛盾が故障と判断される流れへと繋がっていきます。それだけならまだよかったのですが、デイビッドとフランクはさらに、HALの思考部分を止めて管制システムだけを利用し、先へ進もうとするわけです。ミッションを与えたのは人間、そんな矛盾する指令を与えた人間こそが、ミスを犯している、そうHALに言われているような気がしてなりません。

やはりここでも出てきました。技術は進歩し、どんどん高性能なもの、ココでは人工知能が生み出されていくわけですが、生み出している人間、こちら側のあらゆる能力も一緒に進化していかなければ、こういった問題は避けることができない訳です。

余談ですが、監督のスタンリー・キューブリックは、美術監督になんと手塚治虫先生を指名したというエピソードもあるようです。忙しいという理由で、この話は流れたということですが、もしそうなっていたらと思うと、ちょっと興奮してしまいますよね。
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『2001年宇宙の旅』
ブルーレイ ¥2,381+税/DVD ¥1,429 +税
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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作品参考
http://www.whv.jp/database/database.cgi?cmd=dp&num=15064&UserNum=&Pass=&AdminPass=&dp=

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